2009 Fiscal Year Annual Research Report
強レーザー場イオン化分子におけるサブ光周期コヒーレントダイナミクス
Project/Area Number |
19685003
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
板倉 隆二 Japan Atomic Energy Agency, 独立行政法人日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部門, 研究職 (80334241)
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Keywords | 強レーザー場 / イオン化 / サブ光周期 / コヒーレンス / 光電子分光 / 高次高調波 / 真空紫外 / フィラメント |
Research Abstract |
平成21年度に行った研究の成果は以下のとおりである。 (1) 高強度紫外レーザーパルスおよび円偏光近赤外を用いたエタノールの光電子・光イオン同時計測運動量画像計測を行い、イオン化における電子励起過程がレーザーパルスの偏光、波長に応じて変化することを明らかにした。 (2) 強レーザー場中一酸化窒素が、非断熱回転励起と光イオン化とを同時に起こす状況下において、中性分子の回転状態分布の測定および、時間依存シュレーディンガー方程式の数値計算を行った。 (3) フィラメントによる極短パルス発生を行い、計測の調整によって15fs以下のパルスを得た。 (4) 高次高調波による真空紫外パルス発生を行い、5次高調波(λ~160nm)において40nm以上のバンド幅をもつ広帯域パルスを得た。 (5) Csの第一励起^2P状態のスピン軌道分裂を用いた真空紫外パルス位相計測実験装置を開発した。高次高調波と基本波の分離や、Cs蒸気のトラップなど新たな問題点が明らかとなり、現在、改良を進めている。 (6) 高次高調波パルスの波長域をLiF窓の透過波長で決まる110nmよりも短いXUVパルスを発生させるため、発生チャンバー、差動排気システムの開発を行った。
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