2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19685004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若宮 淳志 Kyoto University, 化学研究所, 准教授 (60362224)
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Keywords | ホウ素 / 機能性材料 / 吸収スペクトル / 蛍光スペクトル / 1,2ジボリン / ホウ素置換基 |
Research Abstract |
1) ジボリン1,2ジボリン骨格をもつπ共役系として、ホウ素上にメシチル基をもつ誘導体の合成、単離に初めて成功した。X線結晶構造解析の結果、理論計算での予想通り、この化合物の1,2-ジボリン骨格はほぼ完全な平面構造であることを明らかにした。また、この化合物が高い電子受容性をもつことを反映して、600nmもの長波長領域に最長波長吸収を示すことも明らかにした。 2) ホウ素中心がホウ素上に導入した三つのアリール基をメチレン骨格で平面構造へと固定化した、"平面三配位ホウ素"化合物の合成に取り組んだ。最終段階のフリーデルクラフツ型の環化反応において、種々のルイス酸性試薬を検討した結果、Sc(OTf)3を用いると、良好な収率で目的化合物が得られることが分かった。得られた化合物のX線結晶構造解析の結果、予想通り、ホウ素周りはほぼ完全な平面構造であることが確認された。さらに、この化合物は、ホウ素上の立体保護機をもたないにもかかわらず、通常のシリカゲルカラムで分離精製が可能な程、安定であることも確認することができた。 3) これまで開発してきた、ホウ素置換基を電子受容性置換基としてもつ発光性材料を、生体の標識材料へと応用することを目的に、カルボキシル基をもつホウ素置換基を新たに開発した。電子供与性置換基として、ジフェニルアミノ基を導入した化合物は、THF中で非常に強い蛍光を示し、さらにこの溶液にルイス塩基を加えていくと蛍光波長が短波長シフトすることを見いだした。
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