2007 Fiscal Year Annual Research Report
理論計算支援による機能性アート錯体の分子設計と高度分子変換プロセスの開拓
Project/Area Number |
19685005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
内山 真伸 The Institute of Physical and Chemical Research, 内山機能元素化学研究室, 准主任研究員 (00271916)
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Keywords | アート錯体 / 異種二核錯体 / アニオン重合 |
Research Abstract |
近年の高度な材料化学・医薬化学・物質科学の要求に伴って、多官能基化された有機分子が数多く開発されています。多官能基化された有機分子を、「欲しいモノを、欲しいタイミングで、欲しい場所に」合成する方法論の開発は、コスト・環境・技術的な面から工業的に熱望されています。 筆者は、これらの目的を達成するためには、既存の試薬・方法論を脱却し、あらたな概念展開が必要と考えています。金属2種類の組み合わせからなるアート錯体を利用して、有機合成化学におけるブレークスルーとなる反応開発を行います。最近、求核性を軽減したメタル化反応、アニオン重合の欠点を取り除く『水中でのアニオン重合』『無溶媒アニオン重合』などを開発し、発表しています。これらの反応を工業的なレベルに引き上げることも視野に入れています。加えて、本研究課題では、理論計算、物理化学的手法を駆使して、その理論体系化を目指すと同時に、そこから得られる手がかりを基に、本手法をさらに高(化学および立体)選択的な反応へと展開し、金属2核錯体の潜在能力を引き出します。 以上の戦略のもと、本年は、炭素、窒素、酸素、水素などとZn、A1、Li、Mg、Si、Teなどの元素を組み合わせた多元素からなるアート錯体をスクリーニングし、アート錯体を用いる芳香環上での位置選択的官能基化反応やベンザイン発生反応、ならびに不飽和結合へのシリル化反応を開発することができました。
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Research Products
(4 results)