2009 Fiscal Year Annual Research Report
理論計算支援による機能性アート錯体の分子設計と高度分子変換プロセスの開拓
Project/Area Number |
19685005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
内山 真伸 The Institute of Physical and Chemical Research, 内山機能元素化学研究室, 准主任研究員 (00271916)
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Keywords | 理論計算 / アート錯体 / 遷移構造解析 |
Research Abstract |
近年の高度な材料化学・医薬化学・物質科学の要求に伴って、多官能基化された有機分子が数多く開発されています。多官能基化された有機分子を、「欲しいモノを、欲しいタイミングで、欲しい場所に」合成する方法論の開発は、コスト・環境・技術的な面から工業的に熱望されています。これらの目的を達成するためには、既存の試薬・方法論を脱却し、あらたな概念展開が必要と考えられる。 本研究課題では、今まで実験者の経験と勘による「試行錯誤」により開発されてきた反応開発を、計算化学、物理化学的手法によって理論的に反応経路、遷移構造、活性化エネルギー、軌道相互作用などを解明しつつ、実験化学との協同作業を行うことによりその効率性を格段にあげようと試みたものである。開発する反応としては、低分子のみならず高分子反応ならびに超分子化反応なども視野に入れて研究を行った。 本年度は、最近当研究室で新たに見いだした新反応機構・錯体について、実験化学的ならびに理論化学的手法を用いて、その検証を行い、その事実からいくつかの新しい反応の設計を行いました。理論計算・分光学・物理有機化学・反応化学を結集することにより、「多種多様な官能基存在下におけるアゾ官能基の新規合成法の開発」や「パーフルオロを穏和な条件下において様々な官能基に導入する方法」「新奇な金属含有芳香環の合成法」「近赤外領域に吸収を有する共役系化合物の合成法」などを開発することができた。
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Research Products
(15 results)