2008 Fiscal Year Annual Research Report
ジアリールエテンー金微粒子複合系での電導性光スイッチング
Project/Area Number |
19685013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 建児 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (80262145)
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Keywords | 分子デバイス / 光スイッチ / 金微粒子 / 電導性 / フォトクロミズム |
Research Abstract |
今年度は、フォトクロミック分子であるジアリールエテンと金ナノ粒子とのネットワーク構造を、ギャップ間隔5μmのくし型電極と10nmのナノギャップ電極間に構築し、その電導特性の光スイッチング特性に関して検討を行なった。用いたくし型電極は、ジアリールエテン・ジチオールの金への自己組織化により、三次元のネットワーク構造を構築することにより作製した。この電極に紫外光、および可視光を照射すると、I-Vカーブの傾きが変化することが見出された。これは、ネットワーク中のジアリールエテンが光異性化することで、π共役が切断された"OFF"の状態と、π共役が広がった"ON"の状態を可逆に切り替える『分子スイッチ』として機能していることを示している。分子構造とスイッチング特性、π共役の反転を利用した逆スイッチ挙動等を明らかにした。次に、一分子、一電子の挙動をさらに詳細に検討することを目的に、ギャップ間隔を5μmから10nmと狭くしたナノギャップ電極の系に関して検討した。平均ギャップ間隔10nmのナノギャップは、エレクトロマイグレーション法により作製し、ジアリールエテンと平均粒径4nmの金ナノ粒子によって架橋した。12Kにおいてその電導特性を評価すると、クーロンブロッケード現象を示し、金ナノ粒子がクーロンアイランドとして機能していることが明らかとなった。続いて光応答性に関して評価したところ、紫外光照射によって電流値が不連続にジャンプする様子が確認された。光照射前後におけるI-VSDカーブ、ゲート電圧依存性を評価した。その結果、光照射における不連続な電流値のジャンプは、クーロンアイランドのポテンシャルのデジタルなシフトに由来していることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)