2009 Fiscal Year Annual Research Report
新奇構造を有する機能選択的タンパク質迅速検出・標識・分離解析システムの構築
Project/Area Number |
19685015
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
比能 洋 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 助教 (70333333)
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Keywords | シアリダーゼ / 阻害剤 / 特異性 / 分子設計 / 自殺基質 / 環状構造 / 機能選択的ラベル化 |
Research Abstract |
共雑タンパク質との非特異結合を防ぐため、環状自殺基質の設計と合成を行った。環化はオレフィンメタセシス反応を利用し、シアル酸の各水酸基上に選択的に導入したアリルエーテルと自殺基質アグリコン芳香族環との間のカップリングにより環化を試みた。その結果、様々な位置での環化体を獲ることに成功した。現在、脱保護法を検討中であり、基質が得られ次第、目的の活性を有しているか試験する。 また、コレラシアリダーゼに対し自殺基質によるラベル化情報に基づいた阻害剤設計と合成に関し引き続き構造最適化研究を行った。その結果、シアル酸水酸基をトリフルオロアセチル基へと変換することにより阻害活性が一桁強化され、Ki=73nMを有する強力な阻害剤を得ることに成功した。さらに、本阻害剤はウイルス、真核生物由来のシアリダーゼに対しては不活性であり、トリフルオロアセチル化後も特異的阻害能を保持していることが確認された。また、トリフルオロアセチル化によりウイルス、真核生物由来シアリダーゼいずれに対しても阻害能の上昇が見出されたことから、この特異性は昨年までに報告したラベル化情報に基づいた構造改変に由来するものであることが確認され、本研究で示された新奇構造を有する阻害剤設計とその最適化戦略が強力かつ特異的な阻害剤の開発戦略として有効であることが示された。また、自殺基質を用いたトリパノソーマクルジトランスシアリダーゼの細胞感染阻害実験により自殺基質添加量に比例した感染率の変化が観察された。トリパノソーマクルジのトランスシアリダーゼの阻害により感染阻害出来ることを確認した例は、これまで抗体実験のみであったことから、低分子化合物による初の実証例となった。
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[Journal Article] A new class of mechanism-based inhibitors for Trypanosoma cruzi trans-sialidase and their influence on parasite virulence2010
Author(s)
Sebastiao T Carvalho, Mauro Sola-Penna, Isadora A Oliveira, Samuel Pita, Arlan S Goncalves, Bianca C Neves, Francisco R Sousa, Leonardo Freire-de-Lima, Masaki Kurogochi, Hiroshi Hinou, Shin-Ichiro Nishimura, Lucia Mendonca-Previato, Jose O Previato, Adriane R Todeschini
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Journal Title
Peer Reviewed
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