2007 Fiscal Year Annual Research Report
高度に選択的なリチウムイオン輸送を目指す有機ホウ素系電解質のイオニクス
Project/Area Number |
19685018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松見 紀佳 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (40323745)
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / 高分子固体電解質 / シングルイオン伝導体 / 無機高分子 |
Research Abstract |
イオン液体中でセルロースとホウ酸誘導体を水酸化リチウム水溶液の存在下で縮合させることにより、リチウムボレートを有するイオン性ゲルを簡便に作製できると考え、以下のように作成を検討した。1-アリル-3-エチルイミダゾリウムクロリドにセルロースを5wt%、7wt%溶解させた。ホウ酸/ペンタフルオロフェニルボロン酸、水酸化リチウム水溶液を順次加え、90℃において反応させることによりイオン性ゲルを得た。得られたゲルの加熱真空乾燥を十分に行い、イオン伝導度を測定した。 セルロース濃度5wt%と7wt%のイオン性ゲル(B(OH)_3:glucose unit=1:4,B(OH)_3:C_6F_5B(OH)_2:LiOH=1:2:3)を合成し、イオン伝導度測定を行った。その結果、5wt%では3.6×10^<-3>Scm^<-1>(30℃)の値を示したが、7wt%では9.6×10^<-4>Scm^<-1>(30℃)に低下した(Fig.1)。後者では粘度の上昇によってイオン輸送の活性化エネルギーが増加したためと考えられる。またホウ酸とペンタフルオロフェニルボロン酸とのモル比が2:1及び1:2の系について、セルロース濃度7wt%でのイオン伝導度を比較したところ、後者は有意に高いイオン伝導度を示した。架橋点密度が減少したことに加え、電子吸引性のペンタフルオロフェニル基がリチウムボレートの解離性を高めたことが原因と考えられる。
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Research Products
(5 results)