2008 Fiscal Year Annual Research Report
高度に選択的なリチウムイオン輸送を目指す有機ホウ素系電解質のイオニクス
Project/Area Number |
19685018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松見 紀佳 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (40323745)
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / 高分子固体電解質 / シングルイオン伝導体 / 無機高分子 |
Research Abstract |
β-シクロデキストリン及び、γ-シクロデキストリンのグルコースユニットの6位を選択的にTBS保護したのち、2,3位の水酸基をメシチルジメトキシボランと反応させることにより、新規ホウ素多置換型マクロサイクルの合成に成功した。それぞれのマクロサイクルの構造は、^1H-、^<13>C-、^<11>B-NMRスペクトルにより決定した。近年、効果的に各種アニオンを捕捉するアニオンレセプターとして、複数のホウ素ユニットが協同的にアニオンを捕捉できるレセプターが知られているが、本系もさらに効果的なアニオンレセプターとして期待される。 β-シクロデキストリン由来のホウ素多置換型マクロサイクルにフッ素化物イオンを作用させたところ、^1H-NMRスペクトルにおけるメシチル基由来の芳香族プロトンのシフトから、約半数のホウ素ユニットがアニオンを捕捉していることが示唆された。今後、リチウムイオン輸送マトリックス用添加剤として利用することにより、系のリチウムイオン輸率の向上につながるものと考えられる。 また、新たな多糖由来高分子固体電解質として、ペクチン酸とN, N'-ジアルキルイミダゾリウムヒドロキシドとの中和により、新規なイオン性高分子の合成に成功した。LiTFSIなどのリチウム塩を添加してイオン伝導特性評価を行ったところ、51℃において7.5×10^<-5>Scm^<-1>の値を観測した。得られたペクチン酸中和物の2、3位の水酸基をメシチルジメトキシボランとの反応によりホウ素化することも試みたが、これに関しては現在まで成功していない。
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Research Products
(4 results)