2008 Fiscal Year Annual Research Report
真空紫外域で発光する新機能シンチレータ結晶材料の開発
Project/Area Number |
19686001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉川 彰 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (50292264)
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Keywords | 結晶工学 / 先端機能デバイス / 放射線・X線線・粒子線 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究では200nm以下の極短波長域に発光する新規VUVシンチレータの開発を中心とし、その探索合成、発光メカニズム、クエンチメカニズムの理解、更には、高品質バルク単結晶および形状制御単結晶作製技術の確立までを研究開発対象としている。これに対し本年度は、200nm以下の発光を実現する最適母結晶の決定、賦活剤、添加剤の最適量の決定、メカニズム説明のためのモデル構築、形状制御結晶成長技術の確立までを遂行した。 具体的にはフッ化物系の材料を中心に、Nd^<3+>5f-4f遷移、Er^<3+>5f-4f遷移、Tm^<3+>5f-4f遷移、Core-valence発光等、室温で真空紫外に発光するメカニズムを有する材料の探索合成を行い、その添加剤最適量を決定した。100を超える探索合成した単結晶の中から、Nd : LaF_3、NdF_3、Nd : LuLiF_4、Er : LiCAF、Tm : LiCAF、KMgF_3において、真空紫外の発光が確認された。中でも、Nd : LuLiF_4において強い発光が得られたので、これを用いて、ガスカウンタとアセンブルすることによる画像取得を検討し始めた。 材料中に酸素のコンタミネーションがあると真空紫外域で吸収が起こってしまい、真空紫外発光を効率良く得ることができない。そのため、合成炉の到達真空度を1桁向上させることも行った。また、賦活剤の固溶限界に関する追跡も行った。固溶限界を超えると第2相として析出して来るため、結晶の概観が不透明となっている箇所を電子顕微鏡を用いて観察し、組成分析等を通じて、第2相の同定を行った。これらの知見に基づき、平成21年度には引き上げ法を用いた大口径化にも取り組んで行きたい。
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Research Products
(14 results)