2009 Fiscal Year Annual Research Report
窒化アルミニウムpn接合ダイオードの発光・受光特性評価
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19686003
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Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
谷保 芳孝 NTT Basic Research Laboratories, 機能物質科学研究部, 主任研究員 (20393738)
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Keywords | 結晶工学 / 結晶成長 / 半導体物性 / 光物性 / 窒化物半導体 / A1N / 発光ダイオード / 紫外 |
Research Abstract |
高品質化したA1Nの強励起発光特性を調べ、自由励起子に加えて励起子分子および励起子-励起子散乱に由来する発光を観測することに成功した。それぞれの発光エネルギーから、励起子結合エネルギーを48meV、励起子分子結合エネルギーを27meVと同定し、A1Nでは室温においても励起子が安定であることを示した。 p型MgドープA1Nの補償比を低減することにより、正孔濃度および移動度が増加し、p型伝導度は従来よりも50倍向上した。そして、p型A1Nでは、室温近傍においてイオン化不純物、光学フォノンが支配的な正孔の散乱機構であることを明らかにした。さらに、A1GaNの全A1組成域でp型伝導性制御に成功し、MgアクセプタエネルギーのA1組成依存性を同定した。また、これらの知見をもとに、A1N発光ダイオード(A1N-LED)の作製条件を最適化することにより出力は増加した。 A1Nからの発光は負の結晶場分裂エネルギーに由来してE//cに強く偏光していることから、LEDの光取り出し面を従来のC面から非C面であるA面やM面にすることで、光取り出し効率を増加できることを提案した。実際に、非C面(A面)A1N-LEDを作製し、波長210nmバンド端電流注入発光に成功した。そして、A面A1N-LEDの放射分布は従来のC面と異なり表面方向へ強い発光を示し、非C面LED構造の有望性を実証した。また、遠紫外域の偏光測定が可能な測定系を構築し、A面A1N-LEDのバンド端発光が強く偏光(偏光度0.9)していることも示した。
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