2007 Fiscal Year Annual Research Report
光電子イメージング分光のための10フェムト秒深紫外光パルス発生
Project/Area Number |
19686008
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤 貴夫 The Institute of Physical and Chemical Research, 鈴木化学反応研究室, 研究員 (20313207)
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Keywords | 超短光パルス / 深紫外光 / 光電子分光 / フィラメンテーション / 四光波混合 / 非線形光学現象 / 物理化学 / 分子 |
Research Abstract |
研究計画どおり、チタンサファイアレーザー出力の基本波と二倍波を気体中に混合し、深紫外領域(200〜300nm)で超短光パルスを発生させる実験を行った。260nmの成分に関しては20uJ、200nmでは4uJのパルスエネルギーを達成した。このようなパルスの圧縮がもっともやりやすい回折格子を用いた圧縮器を作成し、パルス圧縮を試みた。エネルギーが十分高いので、損失の大きな回折格子を用いた圧縮器を使用しても、十分強いパルスが得られた。260nmでは、数uJ、200nmでは、0.5uJ程度である。このエネルギーでは、精密なパルス幅測定や、光電子分光などが可能と考えられる。パルス幅測定は、超短光パルスを測定するのにもっとも信頼できる過渡回折格子周波数分解ゲート法によって測定した。これにより、パルス幅は260nmについて14fs、200nmの成分については、16.5fsと測定された。200nmの成分については、以前は200fs程度が最短であったが、それを一桁以上縮めることができた。この圧縮器は260nmと200nmの成分を同時に圧縮することができており、二つのパルスの遅延時間を後で制御し、試料に照射することで、時間分解能が20fs程度の分光を行うことができる。このような高時間分解能の分光は、これまでは可視領域が主流であったが、このパルスレーザーによって、深紫外光領域で実験ができるようになった。これは、深紫外光領域に共鳴した小さい分子を対象とした化学反応の基礎的な研究に大きな進歩をもたらすと考えられる。6月に開かれる国際会議にこの研究内容を発表予定である。
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Research Products
(6 results)