2008 Fiscal Year Annual Research Report
光電子イメージング分光のための10フェムト秒深紫外光パルス発生
Project/Area Number |
19686008
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤 貴夫 The Institute of Physical and Chemical Research, 鈴木化学反応研究室, 専任研究員 (20313207)
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Keywords | 超短光パルス / 深紫外光 / 光電子分光 / フィラメンテーション / 四光波混合 / 非線形光学現象 / 物理化学 / 分子 |
Research Abstract |
研究計画どおり、前年度に開発した二色(260、200nm)深紫外光15fsパルス対を超高速光電子分光に応用した。回折格子を用いた圧縮器を通過してくる二色のパルスが空間的にシフトするように圧縮器を組み替え、相対的な遅延時間を高精度位置決め装置によって制御できるようにした。二つのパルスを真空チャンパーに入射し、分子ビームにおいて重なるように調整した。この光電子分光の時間分解能は、アルゴンで希釈したエタノールを試料とした非共鳴二光子過程により発生するイオン数を測定することで、22fsと決定した。この相互相関の細部にわたる形まで、前年度に測定したパルス電場によって再現できるため、この相互相関測定は極めて妥当であることを確認した。さらに、この装置を用いて、実際にピラジン、ベンゼン、トルエン、フランなど、260nmや200nmに共鳴する多原子分子を対象として光電子イメージング分光を行った。これらの試料について、50fs程度の周期で振動する分子振動の様子や、20fs程度の寿命の内部転換過程など、直接的に測定することができた。さらに、この方法では、光電子の角度分布についての情報も得られることから、短寿命にしか存在できない電子状態について、重要な知見が得られている。さらに、このフィラメンテーションを用いた深紫外光パルス発生機構について、理論的な詳しい考察を行った。これらの結果についていくつかの論文を投稿予定である。さらに、これらの深紫外光パルス開発研究は、国内、国外に高く評価されており、2009年には招待講演の依頼が、国内の1件、国外で2件予定されている
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Research Products
(5 results)