2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン基板一体型多孔質層の応用-細胞操作への展開-
Project/Area Number |
19686014
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
早瀬 仁則 Tokyo University of Science, 東京理科大学・理工学部, 准教授 (70293058)
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Keywords | 多孔質シリコン / 細胞アレイ / MEMS / 微細加工 / ナノバイオ / マイクロ・ナノデバイス |
Research Abstract |
昨年度までに、細胞吸引捕捉に成功したものの、捕捉の再現性が乏しかった。そこで、培養液の貫通孔質部における流速計測を試みた。およそ300μm/sの流速が見込まれることが分かり、細胞の吸引補足には十分と考えられる流量であった。多孔質部では、流体の界面の比率が大きくなり、表面張力等の影響が大きくなる。貫通多孔質部から空気の吹き出しを行ったところ、表面に水の層がある場合には、吹き出しに与圧が必要なことが分かった。再現性の低い原因として、界面力により、吸引実験開始前に不純物が多孔質内部に濃縮される可能性が高いことが分かった。吸引細く開始前の与圧付与等の改善策を検討中である。 一方、多孔質シリコン部で、細胞のアポトーシスが激しいことが分かってきたが、加工中に施していたプラズマエッチングの影響が大きいことが分かった。ふっ素含有物が表層に残っており、これらの成分を短時間の熱酸化で排除することにより、細胞の生存率の大幅な向上が見られた。貫通多孔質部の透明化のためにも、熱酸化を検討していたが、酸化による膨張のための基板変形が問題となっていた。650℃の比較的低温で4時間の酸化により、基板変形を抑制して酸化が可能であることが分かった。以上の結果から、細胞の吸引捕捉を可能に成功し、再現性向上および光学計測の目処が得られた。
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