2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19686017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芝原 正彦 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40294045)
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Keywords | ナノ構造 / エネルギー伝達 / 熱伝導率 / 界面熱抵抗 / 分子動力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,界面や物質中にナノ構造を人為的に配置することによって,物質自体を変えることなく,そのナノメートルスケールの幾何的構造だけを変えることによってその「伝熱」に関する熱物性をコントロールことを試みるものである.本年度は以下の3項目に関して,解析・実験の両面から遂行した. (1)ナノメートルスケールの界面構造が固液界面熱抵抗に及ぼす影響に関する分子動力学解析 固液界面を考えて,完全な平面の場合とナノ構造(0.5〜3nm)が界面に存在している場合に,系に温度勾配をっけて,界面での温度ジャンプを分子動力学計算によって計算することにより,巨視的な熱抵抗を算出した.固液界面の温度ジャンプと熱流束から,界面の熱抵抗を計算した結果,界面ナノ構造間隔によって,固液間の熱抵抗が変化すること,ならびに,固液間の熱抵抗を最小とするナノ構造間隔があることが分かった. (2)ナノメートルスケールの構造・空孔が物質の熱伝導率に及ぼす影響に関する分子動力学解析 固体中にナノメートルスケールの構造あるいは空孔が存在する場合に,そのスケールや配置によってどのように固体の熱伝導率が変化するかについて,ナノ構造の特性スケールを変化させることによって調べた.基本プログラムは研究代表者がすでに作成したものを改良することによって作成した.その結果,ナノメートルスケールの空孔はその断面積減少よりも大きな影響を薄膜の熱伝導率に与えることが分かった. (3)界面熱抵抗測定実験 界面微細構造が界面熱抵抗へどのような影響を与えるかについて実験的に明らかにすることを目的として,上下面に加熱・冷却機構を備えた界面熱抵抗測定実験装置を設計・発注した.次に,設計した界面熱抵抗測定実験装置を組み立てて,実験装置の基本動作を確認するとともに,微細構造のある界面の熱抵抗を測定のための動作試験を行った.
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