2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー蒸発を利用した単層カーボンナノチューブ生成機構の解明と構造制御
Project/Area Number |
19686018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 正道 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (50311634)
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Keywords | ナノチューブ / 熱工学 / 触媒 / レーザー蒸発 |
Research Abstract |
本年度は昨年度立ち上げたDMA装置を用いてサイズ選別したナノ粒子を触媒としたCNT生成を行った. 触媒となる金属ナノ粒子をレーザーアブレーションによって生成し, それを高温電気炉で球状化させた後, DMAを用いてサイズ選別を行った. 実験ではDMAに印加する電圧を変化させながらナノ粒子のサイズ選別を行った. ナノ粒子はシリコン基板上に堆積させ,その形状やサイズ分布をFESEMおよびTEMにより観察した. 本年度の研究では5nm程度のナノ粒子まで良好にサイズ選別を行えていることが分かった. さらに, DMA印加電圧と粒径の関係を理論値と実験値で比較した結果, DMAが, ほぼ理論で予測される通りの性能を発揮していることを確認した. シリコン基板上に堆積させたサイズ選別されたナノ粒子を触媒としてCND法にてCNT生成を行った. 炭素源はアルコールで生成温度は800℃近辺とした. 生成物をラマン分光法で検討した結果, グラファイトに由来するシグナルが主に得られたが, SWNTに起因すると思われるシグナルも得られた. FESEMでCVD後のシリコン基板を観察した結果, SWNTの生成効率を上げるためには, シリコン基板にナノ粒子を堆積させる際の堆積密度が重要と考えられる. また現在得られているナノ粒子のサイズが5nm程度であることから, 炭素源をアセチレン等に変更する事により, MWNTの生成も可能と考えられる. さらにサイズ選別されたナノ粒子を基板上に堆積させることなく, 2段目の電気炉内でこれらナノ粒子を触媒としてCNTを気相合成させるための装置改良を行った.
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