2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高周波対応高機能ハイブリッドナノクラスターの創製
Project/Area Number |
19686020
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 智之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (50372305)
|
Keywords | 磁性ナノ粒子 / コアーシェル / ハイブリッド / 自己組織化 / 高周波デバイス |
Research Abstract |
GHz帯域に対応した低損失配線ボード基板材料およびワイドバンド/マルチバンドアンテナ材料への応用を念頭に、Fe、Coおよびそれらの合金を中心とした遷移金属をナノ粒子化し、各種機能を有するコアーシェル型ハイブリッドナノクラスターを誘電体中に凝集なく均一に分散させた高機能磁性ナノ粒子/誘電体ハイブリッド材料の開発を行う。本年度は、3d遷移金属である鉄コアナノクラスターに対し、大気暴露後においても粒子全体に対する酸化体積量の低減を図るための貴金属シェル材料として金を選択し、シェル形成条件の最適化を行った。 これまでシェル材料として用いてきた白金では、シェル形成時に鉄コア/白金シェル界面で生成する鉄-白金の合金が所望の磁気特性の劣化を招いた。これに対し、本研究では、鉄に対し非固溶で耐酸化性に優れた金に着目し界面における合金形成を抑制しつつ耐酸化性にすぐれた鉄コア-金シェルハイブリッドナノクラスターの合成を試みた。還元法により鉄ナノクラスターを合成後、極少量の水溶系金原材料を加え、溶液の酸性/アルカリ性を制御する添加剤を加えることでシェルを形成した。また、独自に開発したコア選択エッチング法ならびに蛍光X線分光法を利用した鉄元素選択重量評価法を用いて鉄コア-金シェルハイブリッドナノクラスターの歩留まりを評価した。その結果、現段階における最適なシェル形成条件において10%-50%程度の歩留まりで鉄コア-金シェルハイブリッドナノクラスターの合成に成功していることが分かった。
|