2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化による異種デバイス混載積層型チップの創製
Project/Area Number |
19686022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 誉史 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (10374969)
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Keywords | 自己組織化 / マイクロ・ナノデバイス / 流体 / 微細接続 / システムオンチップ |
Research Abstract |
液体の表面張力を利用して、シリコン基板上の目的とする場所へ高精度にシリコンチップを位置合わせして、且つ荷重をかけずに常温で直接接合するセルフアセンブリ技術の基礎研究を遂行し、位置合わせ精度と接合強度に影響を与える以下のパラメータを抽出した。 1.液体の種類、2.接合領域とその周囲の濡れ性、3.液体の体積4.チップ設置前の初期ズレ(X,Y,Z,θ)、5.接合領域の表面平坦性 液体には常温で最も表面張力が高い水(72mN/m)を主成分とした液体(水溶液)を利用した。 そのため、接合領域を親水性、その周囲を疎水性になるように加工、および表面処理し、接触角測定により濡れ性を評価した。その結果、濡れ性のコントラスト(親水性領域と疎水性領域の差)が接触角で50度程度でも、他のパラメータに余り影響を受けずにセルフアセンブリが進行することが分かった。例えば、チップ搭載前にXY軸を1mm以上、θ軸を30度以上と大きくずらしても、高精度にアライメントが進行した。液体の体積に関しては、5mm角のチップをアセンブリするのに0.3-0.6μLが最適な値であり、過剰な液量はアライメント精度の低下を招いた。一方、接合強度は、接合領域(親水性領域)の表面粗さに大きく依存し、Ra 4A以上では接合不良を起こすことがあった。しかし、Ra 1A以下に平坦化するとチップがバルク破壊するほどの高い接合強度を得られた。また、液体に混入する添加剤の濃度にも影響を受けた。 これらの条件を最適化し、平均位置合わせ精度 約300nmと引っ張り強度8MPa以上を両立させたセルフアセンブリ技術の開発に成功している。また、多数のチップを同時に、0.1秒以内でセルフアセンブリさせることができた。30層以上の薄化したシリコンチップを縦にセルフアセンブリした構造体の試作にも成功している。
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Research Products
(12 results)