2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19686023
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西山 伸彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80447531)
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Keywords | 高性能レーザ / 半導体レーザ / InP / レーザトランジスタ / フォトニックネットワーク |
Research Abstract |
ヘテロバイポーラトランジスタのベース層内に量子井戸を有するレーザトランジスタは、その動作機構が良く理解されていない。それを解明するため従来のレーザダイオードで利用されていたレート方程式を拡張し、電流連続の式を利用してキャリア拡散速度の影響による利得飽和の影響を加えた小信号特性、大信号特性の解析に初めて成功した。その結果、矩形パルスの電流をデバイスに入力した場合、緩和振動周期はレーザダイオードとレーザトランジスタで差が見られないが、立ち上がり時間がレーザトランジスタの場合短い傾向が観測され、レーザダイオードに比べて高速応答が可能なことを明らかにした。しかしながら、レーザトランジスタは緩和振動のダンピングがレーザダイオードに比べ弱いため、ランダム信号を印加した際のアイパターンが劣化することがわかった。これを解決するために端面への高反射率コーティングによりフォトン寿命を調整することにより40Gbpsの信号においても、レーザダイオードに比べ良好なアイ開口が得られることを見出した。 一方で上記のレーザトランジスタを実現するためにAlGaInAs量子井戸埋め込みヘテロ構造が必要であるが、レーザダイオードを利用して、自然放出光の比較より非発光再結合速度を定量化することにより再成長法の確立を目指した。自然放出光のストライプ幅依存性より非発光再結合速度をフィッテングにより求め、その結果と発振特性を比較した結果、その傾向の一致が見られ、本手法により、正確に再成長方法の最適化を行うことができることを明らかにした。 以上により、長波長帯レーザトランジスタを実現するための基礎検討を完了した。
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