2007 Fiscal Year Annual Research Report
多チャネル受信超音波の解析による動脈壁変位ベクトル・血流速度の同時計測法の開発
Project/Area Number |
19686026
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 英之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00344698)
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Keywords | 動脈壁変位 / 血流 / 多チャネル送受信 / 超音波 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
本研究では,動脈壁のひずみ・弾性特性および血流の同時イメージング手法の開発を行う.本年度は,本申請者らが有する96チャネル同時超音波送受信システムの評価,およびチャネル超音波RFデータ収集ソフトウエアの開発を行った.さらに,チャネル超音波RFデータをもとに2次元変位推定および血流の描出を行うためのビームフォーミング手法について検討を行った. まず,単一散乱体に対して超音波の送受信を行い,空間分解能の評価を行った.従来のリニア走査では,送信・受信ともに細い超音波ビームを形成しているため,送信開口を細かく走査する必要があるため,フレームレートは数十Hzに制限されていた.本研究では,広い送信ビームを用いることで送信回数を減少させ,フレームレート約3500Hzという,血流のイメージングに必要な高いフレームレートを達成した.本ビームフォーミング法により形成されるビームは,従来のリニア走査にくらべ-20dB幅では若干の劣化が見られたが,半値幅はほぼ同様であり,十分な空間分解能を保ちながら高いフレームレートが達成された. さらに,動脈に対して複数の異なる角度でビームフォーミングを行い,動脈壁に垂直なビームを用いて壁の径方向ひずみの推定を,他の角度のビームで血流を,同時に描出する手法について検討を行った.ひずみ計測法については,壁弾性率が既知の円筒管を用いて精度評価を行うとともにヒト動脈のin vitroおよびin vivo計測を行った.基礎実験においてひずみの計測誤差は10%未満であった.血流イメージングについては頸動脈におけるin vivo計測を行い,拍動に同期して血流からの散乱超音波信号が描出された.
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Research Products
(7 results)