2009 Fiscal Year Annual Research Report
ルーフポンドを用いた近赤外放射エネルギーの制御と有効利用
Project/Area Number |
19686035
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
吉永 美香 Meijo University, 理工学部, 准教授 (70295624)
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Keywords | クールルーフ / 蒸発潜熱 / 陸屋根 / 太陽エネルギー |
Research Abstract |
研究の目的と平成21年度の実施計画 本研究は,陸屋根上に薄い水膜を形成し,夏期に水の蒸発潜熱により屋根貫流熱量を低減させることを目的とするものである。平成21年度には,実在の建物を用いて効果の実証実験を行うとともに,シミュレーションによる長期的な効果推定と設計のための資料をまとめることを計画した。 平成21年度研究実績の具体的内容 2009年9月に,愛知県岡崎市に建つ既存集合住宅の一部屋上にルーフポンド試験体を作成し,,ルーフポンド非設置の居室との比較を行った。屋根表面温度,室内鉛直方向温度などを測定し分析を行った結果,蒸発潜熱により日射吸収熱量の過半量を外界に放熱していることが確認できた。また屋根面が効果的なヒートシンクとして機能することを確認した。 続いて,動的熱負荷計算プログラムTRNSYS ver.16.01を用い,ルーフポンドをもつ建物の熱負荷削減効果の計算を行った。ルーフポンドのような潜熱利用型のシステムは一般の熱負荷計算プログラムでは計算ができないため,新たにアドイン型の計算ルーチンを開発し適用した。対象建物は日本建築学会標準モデルで,終日空調を仮定した。結果として,屋根・外壁に50mm外断熱を施し,さらに開口部をペアガラスとした高断熱型住宅で終日空調を行った場合,2F居室の冷房熱負荷を約20%削減することができると推定された。また2F居室の室温が抑制されることで1F居室への内壁貫流熱量が低減し,1F全体での熱負荷も4%程度削減されることが分かった。総合して,建物全体の冷房熱負荷は約12%削減され,高い性能をもつことが確認できた。
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Research Products
(2 results)