2009 Fiscal Year Annual Research Report
屋内生活行動調査に基づく確率モデルを用いた家族・行為・空間に関する人間行動の研究
Project/Area Number |
19686036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松下 大輔 Okayama University of Science, 総合情報学部, 准教授 (90372565)
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Keywords | 生活行動 / 位置検知 / センサーネットワーク / ICタグ / 確率モデル / 三軸加速度 / 時系列 / モニタリング |
Research Abstract |
中国人高齢者夫婦世帯の集合住宅の住戸内での起床から就寝までの主な室利用の型を明らかにした。いつ、どの部屋に被験者が滞在しているかを連続的に記録したデータを分析することによって、朝、昼、晩の各々で最長の時間滞在する部屋をベース、最も頻繁に往来のある部屋の組をメインリンクとして被験者夫婦のベースとメインリンクを特定した。また、この指標をもとに室利用の型を明らかにした。この型に基づく知見は以下に示す通りである。 (1) 全ての被験者にとって終日、居間が最もしばしばベースに選ばれ、次に主寝室がべースに選ばれる。食事室と居間の問はしばしば往来され、この2室は共に、往来のある室の総数が多いハブとして使用される。台所はこの2室との往来がしばしばあり、とくに食事室との往来が多い。食事室は、主寝室との往来も同じく多い。朝、被験者は居間と主寝室に滞在する傾向があり、食事室をハブとして使う。午後には、食事室はやはりハブとして使用されるが、居間も同じく多くの部屋との間で往来がある。晩には、被験者は居間に滞在する傾向があり、居間をハプとして使用している。主人に比べると、主婦の室使用では、台所が他の多くの部屋との間、中でも、主寝室と居間との間で、より往来が多い。 (2) 夫婦の主な室利用は、夫婦共有のベースの住戸内での位置によって3つの型、つまり住戸内での中央配置の共有ベース型、コーナー配置の共有ベース型、端部配置の共有ベース型に分類することができる。被験者のベースが住戸の北側に位置する食事室になることが多い理由が、エアコンを使用しなくても夏に涼しく快適であるためであることをヒアリングによって確認した。このことから、ベースとなる室が必ずしも、戸外に南面する室とは限らないことも明らかにした。さらに、台所と食事室の往来回数が多くなるのは、台所が狭いため、食事室も用いて調理をすることが多いためであることも確認した。
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