2008 Fiscal Year Annual Research Report
高強度・高導電率を目指したバインダーフリーカーボンナノチューブ繊維の開発
Project/Area Number |
19686038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 義倫 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 助教 (30374995)
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Keywords | カーボンナノチューブ / カーボン材料 / バインダーフリー / 繊維 / 固化体 / 高強度 / 高弾性 / 高導電率 |
Research Abstract |
本年度は、フッ素で修飾された多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)を、放電プラズマ焼結法により温度(1000℃)・圧力(80MPa)の下で焼結し、脱フッ素によりナノチューブ同士を共有結合させたMWCNT固化体をラットに埋入し、人工骨としての応用のためのMWCNT固化体の生体親和性を測定した。MWCNT固化体は生体適合性の高いチタンと同等の生体親和性であることが示され、人工歯根、人工骨、骨固定具としての応用が期待されることを示した。この成果は雑誌Carbonに掲載され、高い評価を得ている(Y.Sato et.al,Carbon 46, 1927-1934, 2008)。脱フッ素を利用したCNTのみで作製された「ナノチューブ固化」は、申請者が開発した世界初のオンリーワン技術である。この脱フッ素化を利用し、脱フッ素化することで強靭なMWCNT繊維の作製を行うために、MWCNT繊維を作製するための垂直配向MWCNTsの合成を行った。Si基板に垂直配向するMWCNT合成方法は横型管状炉に石英チューブ(40mm)を設置して行った。マグネトロンスパッタ法あるいは電子ビーム法により、Siウェハ(20×20mm)に厚さ5nmの鉄をコーティングした。次に石英チューブ内にSiウェハを設置し、水素ガスを炉に流し、鉄を還元し、その後、アセチレンガスを炉に供給した(100 Torr)。温度680℃、ガス流量580sccm、反応時間10分とし、垂直配向したMWCNTを合成した。得られた垂直配向MWCNTは走査型電子顕微鏡と原子間力顕微鏡(AFM : atomic fbrce microscope)により評価した。マグネトロンスパッタ法でFeを堆積させたSi基板では、所々にMWCNTsの塊が成長しているが、電子ビーム法でFeを堆積させたSi基板では、100μmの長さのMWCNTsが満遍なく基板に垂直配向していることがわかった。
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Research Products
(12 results)