2008 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ化物薄膜のエピタキシャル成長における表面・界面制御
Project/Area Number |
19686043
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高村 由起子 (山田 由起子) Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 講師 (90344720)
|
Keywords | MBE, エピタキシャル / 走査プローブ顕微鏡 / 超薄膜 |
Research Abstract |
二ホウ化マグネシウム(MgB_2)に代表される二ホウ化物は、三角格子の金属の層とグラファイト状に結合したホウ素の層が交互に積み重なった結晶構造を有し、窒化ガリウム(GaN)に対する金属並みの高い導電性とセラミックスの耐熱性を有する格子整合基板として期待される二ホウ化ジルコニウム(ZrB_2)など注目すべき物質が多くある。本研究では、二ホウ化物の異種基板へのエピタキシャル成長、異種二ホウ化物の多層化・複合化、さらには二ホウ化物と半導体の超格子化を目指し、表面・界面の理解に努めている。今年度は、前年度に立ち上げた新装置を用いてZr(BH_4)_4の加熱基板上の熱分解によるZrB_2のサファイア(0001)基板上へのエピタキシャル成長実験を試み、それに成功した。Si基板上に成長した際とは異なる再構成構造が成長中に観察され、また成長速度がSi上に成長した場合と比較して25倍と速いことから、熱分解反応による薄膜成長が表面再構成構造、おそらくは表面に微量に存在する基板由来元素に強く依存することが示唆された。得られたZrB_2薄膜は超高真空中で加熱することで酸化膜の除去と表面平坦性の回復が可能であり、この絶縁体上の金属性エピタキシャル薄膜をGaNあるいは六方晶系半導体成長用のバッファ層として用いることができる。そのため、これまでにないデバイス設計が可能となる。また、前年度に成長したSi(111)上にエピタキシャル成長したZrB_2薄膜について角度分解光電子分光を行った結果、バルクのZrB_2とは異なる表面電子構造が測定され、さらにはZrB_2(0001)-(-1×1)〓(2×2)の温度変化に伴う表面再構成構造相転移が表面上の単原子層厚さのSiに由来することが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)