2007 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト型酸化物への水の溶解と、その安定性とプロトン伝導
Project/Area Number |
19686045
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇田 哲也 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (80312651)
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Keywords | ペロブスカイト / 水和反応 / 脱水反応 / 熱力学 / 燃料電池 |
Research Abstract |
BaをドープしたLaSc03はLaサイトへのドーパントであるBa(II)がLa(III)サイトを置換し、全体の電気的中性を保つために酸素空孔が生じる。この酸素空孔を利用して加湿雰囲気ではH20が溶解し、その電離により、プロトンが導入され、これが電気伝導に寄与する。本材料の問題点は、低い温度での脱水反応である。脱水反応の高温化のためには、Baのドープ量を増やす必要がある。そこで、増やせるドープ量を考える上で基本となる状態図の確定を行った。また、種々の物性を系統的に把握する上でも状態図は重要である。本年度に得た結果は以下のようである。(1)1600℃でのLa01.5-Sc01.5-Ba0擬3元系状態図を確定した。この状態図において、LaSc03へのBa0の固溶量はXSc01.5=0.5の時、X Ba0=0.24である。(2)詳細な実験により、1600℃でのLa01.5-Sc01.5-Ba0-Zr02擬4元系状態図を作成し、広い組成領域に立方晶ペロブスカイトの固溶体が存在することがわかった。また、斜方晶の安定領域も決定した。また格子定数を精密測定した結果、酸素空孔濃度が高い状態では、酸素空孔が規則配列を起こすか、もしくはペロブスカイトを構成するカチオン同士がある特殊なペアを形成し、格子が縮小した可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)