2008 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界溶体急速膨張法を利用した医薬用有機ナノ粒子設計技術の実用化基盤の構築
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19686046
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
内田 博久 Shinshu University, 工学部, 准教授 (70313294)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 超臨界溶体急速膨張法 / ナノ粒子 / 医薬用有機物 / 粒子設計 / 溶解度 / 気液固三相平衡 / 相関 |
Research Abstract |
本研究は, 超臨界二酸化炭素を用いた超臨界溶体急速膨張(RESS)法による医薬用有機物のナノ粒子創製技術の実用化に向けた基盤の構築を目的とするものである. 超臨界二酸化炭素を用いたRESS法による医薬用有機物のナノ粒子創製技術の実用化に当たっては, 「超臨界二酸化炭素に対する医薬用有機物の溶解度」及び「二酸化炭素+医薬用有機物系の気液固三相平衡関係」が必要不可欠な基礎的知見となる. そこで本年度は, 超臨界二酸化炭素に対するアセチルサリチル酸(アスピリン), サリチルアミドおよびエテンザミドの信頼性の高い溶解度データを流通型装置により測定した. さらに, 3次状態方程式とvan der Waals型混合則に基づいたモデル, ならびに溶液論に基づいたモデルに基づく高精度な相関手法を提案した. また, 二酸化炭素+サリチルアミドおよびエテンザミド系の気液固三相平衡関係を第一融解点観察法により測定し, 信頼性の高い気液固三相平衡データの蓄積を行い, 3次状態方程式とvan der Waals型混合則に基づいた相関手法を提案した. さらに, RESS法による医薬用有機ナノ粒子の安定生成を可能とする創製手法と創製装置の開発, つまりRESS法による汎用性の高い粒子設計法の提案を目的とし, モデル物質であるアセチルサリチル酸(アスピリン)の粒子創製を種々の条件下で試み, 粒子創製に及ぼす操作パラメータの影響を詳細に検討した. その結果, RESS法による生成粒子の特性(粒径, 形態, 結晶構造, 結晶性など)は「溶体生成部一粒子生成部間の過飽和度」と「粒子生成部での溶体の相状態」により制御できるということを明らかにした. さらに, RESS法による微粒子創製メカニズムの解明を目的として, 数値流体力学シミュレーションソフト「Fluent」によりRESS法の流動シミュレーションを試みた. その結果, 二酸化炭素が超臨界状態から気体状態へ相転移する際に計算が発散するという問題点が明らかになり, これは相変化を3次状態方程式で表現していることによるものであることがわかった.
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