2009 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界溶体急速膨張法を利用した医薬用有機ナノ粒子設計技術の実用化基盤の構築
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19686046
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
内田 博久 Shinshu University, 工学部, 准教授 (70313294)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 超臨界溶体急速膨張法 / ナノ粒子 / 医薬用有機物 / 粒子設計 / 溶解度 / 気液固三相平衡 / 相関 |
Research Abstract |
本研究は,超臨界二酸化炭素を用いた超臨界溶体急速膨張(RESS)法による医薬用有機物のナノ粒子創製技術の実用化に向けた基盤の構築を目的とするものである.超臨界二酸化炭素を用いたRESS法による医薬用有機物のナノ粒子創製技術の実用化に当たっては,「超臨界二酸化炭素に対する医薬用有機物の溶解度」及び「二酸化炭素+医薬用有機物系の気液固三相平衡関係」が必要不可欠な基礎的知見となる.そこで本年度は,新たに開発した超臨界二酸化炭素+医薬用有機物系のHPLCへの直接導入方式による溶解度測定法を用いて,超臨界二酸化炭素に対するアセチルサリチル酸(アスピリン),サリチルアミドおよびエテンザミドの溶解度データを測定した.さらに,3次状態方程式とvan der Waals型混合則に基づいたモデル,ならびに溶液論に基づいたモデルに基づく高精度な相関手法を提案した.また,二酸化炭素+ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,パルミチルアルコールおよびステアリルアルコール系の気液固三相平衡関係を第一融解点観察法により測定し,信頼性の高い気液固三相平衡データの蓄積を行い,3次状態方程式とvan der Waals型混合則に基づいた相関手法を提案した.さらに,RESS法による医薬用有機ナノ粒子創製に適用可能な汎用性の高い粒子設計法の提案を目的とし,モデル物質であるテオフィリンの粒子創製に及ぼす種々の操作パラメータ(平衡温度・平衡圧力・ノズル温度)の影響を詳細に検討した.その結果,RESS法によるテオフィリン粒子の特性(粒径・形態・結晶構造・結晶性)は「溶体生成部-粒子生成部間の溶解度差(過飽和度)」と「粒子生成部での溶体の相状態」により制御できるという粒子設計法が適用可能であることがわかった.つまり本研究により,我々が提案したRESS法による医薬用有機ナノ粒子創製の粒子創製装置および粒子設計技術は種々の医薬用有機物に適用可能であり,それらの汎用性が明らかになった.
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Research Products
(20 results)