2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19686048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小倉 賢 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授 (50298155)
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Keywords | ゼオライト / ヒエラルキカル / コンポジット / 酸触媒 / 吸着剤 |
Research Abstract |
固体酸触媒として実用されているゼオライトに代表されるミクロ孔物質触媒材料の更なる適用範囲拡張のためのメソ/マクロ孔化技術として, 研究代表者が開発した独自の結晶化技術によるコンポジット材料の創製とその吸着/触媒特性評価を行うことを目的とした。そこでは, 非晶質で柔軟な骨格(細孔壁)をもつメソ多孔質シリカを合成し, その細孔壁にアルミニウムなど核形成サイトを担持し, そこへ核形成促進剤となるゼオライト構造指向剤を気相から供給する。昨年度の成果として, メソ多孔構造を保ちつつ, 細孔壁に部分的なゼオライト結晶を形成させることに成功し, ゼオライトの強酸性質をメソ多孔質を併せもつ, これまでにない優れたヒエラルキカル細孔ネットワーク構造をもつ多孔体の創製に成功した。本年はこの結晶化技術を拡張し, これまで導入が困難であったヘテロ元素をシリカ結晶骨格へ導入することが容易になる方法論を明らかとした。これを利用し, 酸性質および酸化活性を示すヘテロ元素を結晶性シリカ(ゼオライト)骨格に導入することに成功した。これにより, ミクロ空間により吸蔵される炭化水素を部分改質し放出する新しい触媒システムの開発に成功した。本多孔質触媒材料を自動車排ガス浄化触媒に利用することにより, 現在必須成分となっている貴金属の使用量を大幅に低減できることがわかった。さらには, 上記方法を利用することにより, これまでの従来法ではあり得なかった多価元素をゼオライト骨格へ導入することに挑戦した。酸性ガスの吸着分離特性などから, この物質には特異的な塩基点が存在することが確認された。結論するためには詳細な構造解析を必要とするが, 多価元素導入結晶性シリケートの合成に成功したと考えられる。
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