2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバイオ磁性ナノ粒子を用いたマルチスケールバイオマニピュレーション
Project/Area Number |
19686049
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井藤 彰 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (60345915)
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / リポソーム / マグネタイト / ティッシュエンジニアリング / パターニング |
Research Abstract |
平成19年度は申請書の実験計画通り、以下の通りに進めた。 1.ナノバイオ磁性粒子の作製 10nmの磁性ナノ粒子を使用して、3種類のナノバイオ磁性粒子を作製した。細胞表面に吸着し、あるいは細胞内に磁性ナノ粒子を取り込ませるために、正電荷脂質を含むカチオニックりポソームで磁性ナノ粒子を包埋することでMCL(magnetite cationic liposome)を作製した。細胞接着性ナノバイオ磁性粒子として、MCLの表面に接着ペプチドであるRGD(アルギニンーグリシンーアスパラギン酸)配列ペプチドを付加することで、RGD-MCLを作製した。さらに、細胞の吸着を抑えるナノバイオ磁性粒子として、磁性ナノ粒子をアミノシランコートして、その表面にポリエチレングリコール(PEG)を結合したPEG-Magを開発した。 2.磁力による細胞のパターニング マイクロパターニング磁石は、CADを使ってアクリル板に自在に溝を掘り、そこに200μmの磁性体を埋め込むことで作製した。この磁石を用いて、MCLを取り込ませた細胞を磁石のパターン通りにパターニングすることに成功した。また、RGD-MCLを磁気パターニングし、細胞を磁石のパターンに沿って配置・配列させることができた。さらに、磁性ナノ粒子表面に、細胞非接着性のPEG鎖を結合したPEG-Magは、細胞の非接着スペースを磁力で制御することで、標的細胞のパターニングに成功した。これらの結果から、MCLによる細胞自体を磁気標識してパターニングする技術、RGD-MCLによる細胞が接着するスペースを規定してパターニングする技術、PEG-Magによる細胞が接着できないスペースを規定してパターニングする技術、といった3種類の新しい磁力によるパターン技術を開発した.
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Research Products
(6 results)