2009 Fiscal Year Annual Research Report
MHD加速部付き誘導結合型高周波プラズマ風洞の原理実証実験と性能予測解析
Project/Area Number |
19686050
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤野 貴康 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (80375427)
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Keywords | 誘導結合型高周波プラズマ / 電磁流体(MHD)加速 / 電磁流体解析 |
Research Abstract |
惑星突入シミュレータとして期待されているマルチガス対応型(N_2,O_2,Ar,CO_2など)誘導結合型高周波プラズマ風洞の高エンタルピー化を目指し,誘導結合型高周波プラズマ風洞にMHD加速部を組み合わせることを提案し,その原理実証及びMHD加速部を設けることの価値を調べることを目的とした.今年度は主に以下の成果を得た. (1)昨年度開発したマルチガス対応型(Air,N_2,O_2,Ar,CO_2)誘導結合型高周波熱化学平衡プラズマ解析用軸対称2次元CFDコードを,化学非平衡性を取り扱えるように拡張した.そのCFDコードを用いて火星大気の主成分であるCO_2を作動ガスとした大電力誘導結合型高エンタルピー風洞の解析を行い,プラズマ諸量に与えるチャンバー圧力,高周波電力周波数,供給電力の影響を明確にした.(2)昨年度開発した3次元電磁流体コードを用いて,円筒形MHD加速機内の電磁流体場を三次元的に捉えることに初めて成功した.(3)今回解析対象としたMHD加速機・運転条件では電気変換効率(車位時間あたりのローレンツ力による流体加速仕事/供給電力)が低く,結果としてジュール加熱による温度上昇が無視し得ないほど大きくなった.その結果,MHD加速機を運転すると流れは加速するもののマッハ数は低下した.今後の課題として,ジュール加熱を抑えたMHD加速方式・運転方法を検討する必要がある.(4)ファラデー型円筒形MHD加速機では円弧方向の電極端部に電流集中が発生し,その結果,流れの加速をもたらすローレンツ力は流路断面上で非一様な分布を取ることが3次元解析から初めて示された.
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