2008 Fiscal Year Annual Research Report
洋上風力発電に関わる気象研究拠点としての風況モニタリングステーションの開設
Project/Area Number |
19686052
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大澤 輝夫 Kobe University, 大学院・海事科学研究科, 准教授 (80324284)
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Keywords | 洋上風力発電 / 海上風 / 風況 / メソ気象モデル / MM5 / 合成開口レーダー / 海洋鉄塔 |
Research Abstract |
1)風況モニタリングステーション(MS)観測値を用いた風況特性の解析 風況MSでのプロペラ風向風速計及び超音波風向風速計の観測値を用いて, 白浜における風速の年々変動や季節変動, 乱流特性, 安定度依存性, 海陸風循環等の風況特性に関する解析を行った. 洋上風力発電の盛んな欧州と比較して, 年間を通じて顕著な日変化が存在すること, 海陸風循環はほとんど風力エネルギーに寄与しないこと, 等が明らかになった. 2)風況予測システムの問題点抽出と改善 風況MSを含めた瀬戸内海東部領域を対象とした48時間先までの風況予測が可能な海上風予測システムを完成させ, 予測システムによる計算値と風況MSからの観測値を同時にモニタリングできるWebサイトを構築した. 予測システムの精度検証の結果, 予測風速には全般的に過大評価の傾向があり, これを改善するためには, 地表面パラメータのチューニング及び高解像度化が効果的であることを示した。風速鉛直プロファイルに関してはまだ問題が残っている. 3)合成開口レーダー(SAR)による風車ハブ高度の風速推定精度検証 風車ハブ高度の風速を観測する予定であったドップラーソーダの計測値に問題があることがわかり, 年度後半は陸上での検定作業に時間を費やした. 限られたドップラーソーダデータを用いた検討によれば, モニン・オブコフ相似則により大気安定度を考慮することで風車ハブ高度の風速推定精度が上がることが見込まれた. またワイブル統計によって年間平均風速を誤差10%で推定するには, 約70枚以上のSAR画像が必要であることが示された.
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Research Products
(10 results)