2007 Fiscal Year Annual Research Report
PVCの選択的な表面改質の促進とプラスチックリサイクルへの応用
Project/Area Number |
19686054
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥田 哲士 Hiroshima University, 環境安全センター, 助教 (60343290)
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Keywords | 塩化ビニル / 塩化ビニリデン / 混合プラスチック / 分別 / 浮遊選別 / オゾン / 表面 / リサイクル |
Research Abstract |
種々のプラスチックが混ざっている混合廃プラスチックから、リサイクルエ程で問題になる種類の異なる塩化ビニル(PVC)を主とずる塩素系プラスチックを除去する技術開発を行っている。初年度の課題として、オゾンによる親水化の機構解明を行った。予定通り、種類の畢なるPVCについて表面分析とXPSなどを用いた表面分析を詳しく行った。 その結果.セシルバブル法を用いた測定でPVC以外のプラスチック中、ポリメチルメタアクリレートの親水化は認め鼻れなかったが、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートは、接触角で約10%の親水化が見られた。これに対して、PVCは30以上の親水化率で、特異的ではないが、高い反応性により、選択的親水化が達成されることがわかった。このPVCの選択的親水化について、種々の可塑剤量の棚旨についての検討を行った結果、PVC基質量と親水化度に相関があることがわかり、添加物ではなく、PVC本体にオゾンが作用しているようであった。さらに、赤外スペクトル、X線光電子分光スペクトルによる解析ではビニル基が減少し、ケトンやカルボキシル基が増加しているという結果を得た。これに加えて行った原子間力顕微鏡を用いた表面解析の結果からは、大きな表面粗さの変化は認められなかった。 このように本研究の初年度の目的である親水化の機構解明は達成でき、次年度以降に必要となる実混合廃プラのPVC濃度の測定も予定通り開始した。 本成果は論文にまとめ、現在投稿準備中である。
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