2009 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉第一壁タングステンおよび炭素のミキシングとトリチウムダイナミックス
Project/Area Number |
19686055
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大矢 恭久 Shizuoka University, 理学部, 准教授 (80334291)
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Keywords | 水素同位体 / 炭化タングステン / 共堆積層 / 核融合第一壁 |
Research Abstract |
タングステン表面へ炭素、水素同位体およびヘリウムイオンを同時に照射できる同時照射装置を用いて、炭素イオン、重水素イオンおよびヘリウムイオンのフラックスおよびフルーエンスを独立に制御し、さまざまなフラックス条件および照射温度における重水素滞留量を昇温脱離法により評価した。特に、炭素イオン、重水素イオンおよびヘリウムイオンの3種イオン同時照射では材料表面での化学スパッタリング、照射損傷等の影響を受けることが予測されるので、これらのイオンを照射した際の材料中での照射損傷挙動について透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡および原子間力顕微鏡を用いて明らかにした。この結果、水素同位体滞留量は同時に打ち込まれる炭素イオンの打ち込みによる滞留と化学スパッタリングの競合により決まることが明らかとなった。また、打ち込まれた炭素は室温ではタングステン中に溶解しているが、温度が高くなるとタングステンとは異なる結晶構造となり、炭化タングステンの形成が示唆された。ヘリウムイオンと水素同位体との同時照射ではイオンフラックス比を変化させても水素同位体滞留量には大きな影響は与えないことが示された。一方、炭素、水素同位体およびヘリウムイオンの3種同時照射ではヘリウムイオン照射による照射欠陥に主に水素同位体の捕捉がされるが、炭素やヘリウムイオンとの2種同時照射よりも水素同位体滞留量は減少することが示された。またタングステン表面での炭素-炭素結合の割合が減少していることからヘリウムイオン照射により炭素の結合が減少するとともに水素同位体の内部への拡散に影響していることが示唆された。
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Research Products
(11 results)