2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロクロマチン構造の確立と維持を制御する分子機構
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19687001
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中山 潤一 The Institute of Physical and Chemical Research, クロマチン動態研究チーム, チームリーダー (60373338)
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Keywords | ヘテロクロマチン / 分裂酵母 / サイレンシング / RNAi |
Research Abstract |
1.新規RNAi関連因子の単離と機能解析 : (1).RNAi機構がどのようにヘテロクロマチン構造変換を導くのかその分子機構を解明するため、RNAiに関連する分裂酵母の新規変異体の単離を進めた。RNAi機能に関わる因子の変異体に特徴的なセントロメアのサイレンシングのみに異常が見られる変異体をスクリーニングし、65株の変異体を単離した。実際にセントロメア由来のRNAの発現を確認したところ、ほとんどの変異株でセントロメア由来のRNAが高発現していることから、これらはRNAiに関わる因子の変異体と考えられる。現在これらの原因遺伝子の単離を進めている。(2)RNA代謝とヘテロクロマチン形成の両方に関与する新規因子Rmh1/Grc3について引き続き行った。Rmh1とよく似たドメインを有するClp1がRNAキナーゼであるという別のグループの報告に基づいてRmh1がRNAキナーゼである可能性を探ったが、有意な酵素活性の検出はできなかった。この結果よりRmh1のATP結合ドメインは、RNAキナーゼとは異なる機能を果たすことが示唆された。(3)RNAi機能を負に制御するEriiについて、同じくsiRNAの分解に関与するDis3との関連について解析を行い、両者に遺伝的な相互作用があること、また実際にin vitroで協調的にRNAを分解することを見出した。 2.RNAiと遺伝的に相互作用する因子の単離 : RNAi機構と細胞機能との関連をさらに詳細に探るため、RNAi因子の欠損と一緒になって致死性を示すような、合成致死変異体を単離するためのスクリーニング系の構築を引き続き進めた。アデニンの代謝に関わるade6遺伝子とRNAi関連因子を同時に持つベクターを作成し、このベクターをRNAi関連因子の変異株に導入したのち、プラスミドを落とした株がコロニーの色で選別できるようプラスミドの改良を行った。現在スクリーニングヘの応用を進めている。
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