2009 Fiscal Year Annual Research Report
膜内切断RIPの分子機構解明に向けた膜内プロテアーゼRsePの立体構造解析
Project/Area Number |
19687004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
禾 晃和 Osaka University, 蛋白質研究所, 助教 (40379102)
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Keywords | 蛋白質 / シグナル伝達 / 立体構造解析 / 膜蛋白質 / プロテアーゼ / 結晶化 / 組み換え蛋白質の大量発現 / 膜内蛋白質切断 |
Research Abstract |
本研究では、膜内部での蛋白質の切断(RIP ; regulated intramembrane proteolysis)という生命現象の仕組みを明らかにすべく、細菌由来の膜内プロテアーゼRseP蛋白質の立体構造解析に取り組んだ。本年度の研究では、特に「膜内プロテアーゼが如何にして基質膜蛋白質を特異的に認識しているのか?」という問いに答えるべく、膜内プロテアーゼの生化学的解析を中心に進めた。 本研究で取り上げる膜内プロテアーゼRsePには、ペリプラズム領域に2つのPDZドメインが存在する。PDZドメインは様々なシグナル伝達蛋白質において蛋白質間相互作用に関わるモジュールとして知られており、膜内プロテアーゼRsePにおいても基質との相互作用に関わるのではないかという仮説が立てられてきた。しかしながら、これまで他の研究者らが行ってきた変異体解析や蛋白質同士の結合アッセイでは、PDZドメインと基質であるRseAが直接相互作用しているという明確な証拠は得られていなかった。そのような状況の中、本研究では、RsePとそのオルソログ蛋白質を用いてキメラ蛋白質を作成し、PDZドメインの入れ替えることが基質認識に影響を及ほすことを見出し、PDZドメインが基質と直接相互作用する可能性を示すことができた。また、RsePのペリプラズム領域を可溶性断片として精製することで、この領域の立体構造情報も得ることが出来、構造の側面からもPDZドメインと基質との相互作用を解析することが可能となった。これらの成果については、日本蛋白質科学会、日本生化学会、アメリカ結晶学会において学会発表を行い、また、蛋白質研究所セミナーに招待され講演も行った。
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Research Products
(4 results)