2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポリフェノール類の機能性と安全性評価のための標的分子の解析
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19688007
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河合 慶親 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50380027)
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Keywords | ポリフェノール / 抗酸化物質 / 酸化ストレス / 動脈硬化症 / モノクローナル抗体 / 標的分子 / 老化 / プロテオミクス |
Research Abstract |
19年度において食品ポリフェノールの抗動脈硬化作用に関わる標的細胞としてマクロファージが示唆された(Kawai, et.al., J. Biol. Chem. 2008, 283, 9424)。そこで20年度は食品ポリフェノールのマクロファージへの作用機構について詳細な検討を行った。ポリフェノールとしてケルセチンに加えカテキンに着目した。カテキンの一種であるエピカテキンガレート(ECg)を認識するモノクローナル抗体を作製し、ヒト動脈硬化病巣の免疫染色を行ったところ、ECgはケルセチン抱合体同様マクロファージに特異的に蓄積することが明らかとなった。よってマクロファージは少なくともケルセチンおよびカテキンの共通の標的細胞となりうることが示唆された。培養マクロファージ細胞を用いて作用分子機構の検討を行ったところ、ケルセチン抱合体およびECgいずれもマクロファージ細胞に顕著に蓄積し、動脈硬化促進的に働くスカベンジャー受容体や酸化酵素ミエロペルオキシダーゼの発現と活性をそれぞれ阻害することが明らかとなった。このように、食品ポリフェノールは標的細胞であるマクロファージに対して特異的に作用し抗動脈硬化作用を発揮することが示唆された。一方、食品ポリフェノールの標的となる老化や疾病に関与する遺伝子・タンパク群を網羅的に探索するため、米国国立衛生研究所(NIH)との共同研究としてToren Finkel博士(National Heart Lung Blood Ihstitute)の研究室に一時滞在し、最新の技術およびデータの習得を行った。
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