2007 Fiscal Year Annual Research Report
組織特異的発現制御に関わるde novo DNAメチル化機構の網羅的解析
Project/Area Number |
19688017
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柴 博史 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (20294283)
|
Keywords | DNAメチル化 / ゲノムタイリングアレイ / mCIP / 組織特異的発現 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
エピジェネティックな遺伝子発現制御は、生物の発生や分化、発癌などに関わっていることが示されており、ポストゲノム研究の重要な位置を占めている。植物でも花器官の形成等でゲノムDNAのメチル化やヒストンアセチル化といったゲノムの構造変化を伴う事象がいくつか観察されているが、どれくらいの遺伝子が影響を受けているのか不明である。本研究では、tiling arrayを使った植物の発生、分化に関わるDNAメチル化を網羅的かつ包括的に解析することで、植物におけるDNAメチル化の役割・機構を明らかにする。19年度は、器官別のメチロームおよびトランスクリプトームのプロファイルを得る目的で、播種後30日経過したシロイヌナズナの野生株、メンテナンスおよびde novo DNAメチル化酵素欠損株の蕾(花序)、葉および播種後7日経過した根端から抽出したpolyA RNA、genomic DNAを使って転写産物発現およびDNAメチル化部位をtiling arrayを用いて明らかにした。現在、得られたデータを詳細に解析している途上であり、予備的データではあるが、器官特異的なメチル化・脱メチル化の存在とそれに伴い発現制御が見られる遺伝子を複数得ている。本研究によって得られた結果は植物の発生、分化に関わるde novo DNAメチル化機構の解明に貢献するばかりでなく、動植物を含めて広く遺伝子発現調節の研究に寄与すると考えられる。また本研究応募課題を通じて得られた技術的蓄積は、今後様々な生物種で使われることが予想されるtiling array研究の発展に大いに寄与すると考えられる。
|
Research Products
(3 results)