2008 Fiscal Year Annual Research Report
触媒的連続多点制御反応を基盤とする高原子効率分子構築法の開発と機能性分子への応用
Project/Area Number |
19689001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 浩章 Kyoto University, 薬学研究科, 准教授 (30322192)
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Keywords | 多成分反応 / 連続反応 / 銅 / パラジウム / インドール / β-カルボリン / Ergotアルカロイド / リゼルグ酸 |
Research Abstract |
複雑な複素環骨格の効率的な合成法の開発は重要な研究課題である。報告者は、触媒的連続多点制御反応を基盤とする高原子効率分子構築法の開発研究を実施し、以下の成果を得た。 1. インドール縮環型1, 4-ベンゾジアゼピンの三成分ワンポット合成法の開発 本研究において昨年度開発した三成分アミノメチルインドール合成反応を基盤として、単一の銅塩をタンデム触媒とした連続環化反応を検討した。二級アミンとしてプロモベンジルアミンや複素環アナログを用いることで、インドール縮環型1, 4-ベンゾジアゼピンの一挙構築法の開発に成功した。 2. テトラヒドロ-β-カルボリン骨格の三成分ワンポット合成法の開発 テトラヒドロ-β-カルボリン骨格は、生物活性天然物に広く存在するドラッグライクテンプレートである。報告者は、三成分インドール形成と酸または塩基によるインドール3位求核反応を組み合わせたテトラヒドロ-β-カルボリン骨格のワンポット構築に成功した。 3. パラジウム触媒によるアレン連続環化反応を利用したErgot Alkaloid骨格の一挙構築法開発と応用 Ergot alkaloid類はイネ科、カヤツリグサ科植物の穂に寄生するカビの菌核より抽出されたインドールアルカロイドである。報告者はアレンの連続環化反応を鍵反応としたergot alkaloid骨格の合成を計画した。市販の4-bromoindoleから12工程で合成したアレンアミドにパラジウム触媒と塩基を作用させると、目的の連続環化反応が容易に進行し、ergot alkaloid共通骨格を一挙に構築することに成功した。引き続く官能基変換により生理活性天然物であるlysergic acid, lysergolおよびisolysergolの全合成を達成した。
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