2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19689002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 健一 Kyushu University, 大学院・薬学研究所, 准教授 (60346806)
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Keywords | アミロイド / フリーラジカル / 磁気共鳴 / ニトロキシルラジカル |
Research Abstract |
脳内に蓄積したアミロイドβ蛋白(Aβ)の神経毒性発現にフリーラジカルが関与していることが数多く報告されている。しかし、生体内に蓄積したAβ周辺でのフリーラジカル動態やレドックス変動は不明であり、その毒性発現解明には生物個体での直接的な評価が急務である。我々はこれまで、様々な疾患モデルでのフリーラジカル・レドックス変動を、フリーラジカル等との高い反応性を有するニトロキシルラジカルを造影剤とし画像解析してきた。そこで本研究では、脳内蓄積Aβとレドックス変動の詳細な解析に向け、Aβ蛋白認識ニトロキシルラジカルを新たに合成し、その評価を行うことを目的とした。 Aβ認識化合物として報告されているBTAを基本骨格とし、これに3-carboxy-PROXYLをエステル結合させAβ認識化合物を合成した。さらに、Levineらの方法に従い、本化合物とAβとの結合能を蛍光分析法にて評価した。 2-Amino-6-methoxy-benzothiazoleを出発原料とし、BTAを基本骨格とするAβ認識化合物を合成した。さらに、ニトロキシルラジカルである3-carboxy-PROXYLをエステル結合させ3種類のBTA誘導体を開発した。今回合成した3種のAβ蛋白認識ニトロキシルラジカルは、基本骨格のBTAと同様のλex354nm、λem435nmで蛍光を示しAβと結合すること、さらに濃度依存的な結合能を有することがわかった。一方で、Aβの凝集能に対するニトロキシルラジカルの効果を検討したところ、Aβの凝集を抑制することがわかった。以上の結果より、今年度新たに合成した化合物は、Aβとの反応性を有しその凝集も抑制する可能性が示唆された。
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