2007 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞指向性ナノ粒子・物理刺激併用による高効率遺伝子導入システム構築と癌治療
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19689005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川上 茂 Kyoto University, 薬学研究科, 助教 (20322307)
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Keywords | 医療・福祉 / 免疫学 / 癌 / 遺伝子 / DDS |
Research Abstract |
本年度は、樹状細胞など免疫担当細胞特異的に発現するマンノースレセプターにより特異的に認識されるマンノース修飾リポソームによるプラスミドDNA(pDNA)やオリゴDNAの細胞選択的ターゲティングに基づく癌免疫療法の開発とマイクロバブルのリポソーム内への封入法に関する基礎的検討を行った。マンノース修飾リポソームとpDNAやCpG DNA複合体を形成させたところ、約80-200nmの複合体が形成されることを確認した。マンノース修飾リポソーム/pDNA複合体を腹腔内投与した結果、腹腔内やリンパ節における樹状細胞へ効率的に導入できることが示された。メラノーマ関連ペプチド発現pDNAを用いマンノース修飾リポソーム複合体の腹腔内投与を行ったところ、メラノーマ特異的な細胞障害性T細胞誘導効果が認められた。メラノーマをマウス皮下へ移植したところ、マンノース修飾リポソーム複合体の投与により、有意な腫瘍増殖の抑制効果が認められた。次に、マイクロバブルのリポソームへの封入を試みた。分子量2,000のポリエチレングリコール(PEG2,000)-DSPC、DSPC、コレステロールで構成されるリポソームへのマイクロバブルの封入を試みたところ、マイクロバブルのリポソーム内への封入には、PEG2,000のリポソーム膜表面への導入が必要不可欠であった。したがって、マンノースをバブルリポソームの認識素子として利用する為には、PEG先端にマンノースを導入した脂質を合成する必要があることが明らかとなった。
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