2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19689007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 美都 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (10372591)
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Keywords | 移植 再生医療 / バイオテクノロジー / 発生 分化 / 遺伝学 |
Research Abstract |
研究代表者らはこれまで精子幹細胞の機能解析を行ってきたが、2003年にマウスの精子幹細胞の長期培養系を独自に確立し、これをGermline Stem(GS)細胞と命名した。この細胞の特徴は非常な長期にわたり安定的に増殖することであり、二年間で10^<85>倍に増殖し、その間増殖速度や幹細胞としての活性、インプリンティングや核型などに全く変化を示さず正常な子孫を作った。本年度の研究では幹細胞の安定した自己複製機構がどのようなメカニズムで成り立っているのかを解析するため以下の研究を行った。1)GS細胞の2年以降の増殖を追跡し、増殖曲線を作成した。2)その間のテロメア長の測定を行った。具体的にはGS細胞からDNA細胞からDNAを採取し、terminal restriction fragmentを測定したところ、経時的に短縮していることが観察された。3)精巣内移植を行い、コロニーの形成能、および分化度を判定した。3年以上経過した細胞でもコロニー形成能があることが分かった。4)GS細胞の自己複製を司るシグナル伝達経路を明らかにするため、精子幹細胞の自己複製因子GDNF(Glial cell-linederived neurotrophic factor)によって活性化されるシグナル分子の一つがAktであることを明らかにした。Akt分子をtamoxifenによるinducible promoterの下流に発現させたコンストラクトをGS細胞に発現させたところ、GDNF非存在下でも長期間にわたって自己複製増殖が起こった。
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