2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型アルツハイマー病モデルマウスの作製及びその応用
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19689009
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
斉藤 貴志 The Institute of Physical and Chemical Research, 神経蛋白制御研究チーム, 研究員 (90360552)
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Keywords | アルツハイマー病 / モデルマウス / アミロイド前駆体蛋白(APP) / アミロイドβペプチド(Aβ) / ノックインマウス |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)研究を遂行する上で早心に解決すべき最大の問題点は、AD病理を忠実に再現したモデル動物が存在していないことだと考えられる。これまでの研究結果から、現在までに作製されたADモデルマウスには、様々な問題点を内包していることが露呈され始めてきた。そこで我々は、それら問題点をクリアにし、アミロイド仮説に即したノックインマウス(APP^<sw+Bey/h>-KI)を作製することに成功した。この佃APP^<sw+Bey/h>-KIマウスは、これまでのtransgenicマウスのようにAβの産生時における過剰な副産物の産生は認められずに、その脳内で産生されるAβのほとんどがAβ42であった。この比率は、これまでに報告されたADモデルマウスの中でも群を抜いて大きく、homozygoutの1.5ケ月齢においてすらAβ42/Aβ40比が10倍を超えていた。現在までに18ヶ月齢までの解析を行ったが、未だに病理像(老人斑の形成)は検出できてはいないものの、さらなる老齢マウスの解析を行うことの期待が非常に大きい。さらにAPP^<sw+Bey/h>-KIマウスとこれまでに報告されている様々なモデルマウスとの交配を進めており、病理がより早く検出できることが期待できる。また、現在共同研究において行動学的解析も進めており、この結果と病理との関連についても評価できるのではないかと考えている。アルツハイマー病のような老化疾患研究では、「時間」の因子が大きく影響するが、系統だった解析を行うためにも着実にデータを積み重ねて行く必要がある。
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Research Products
(3 results)