2007 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞の機能維持に重要なテロメレース逆転写酵素と結合する新規RNAの同定と解析
Project/Area Number |
19689010
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
増富 健吉 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, がん性幹細胞研究プロジェクト, プロジェクトリーダー (20450570)
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Keywords | 癌 / 幹細胞 / 生化学 |
Research Abstract |
テロメレース触媒活性サブユニットであるテロメレース逆転写酵素(TERT)の新規結合パートナーを同定しその新規複合体の機能および生理学的意義を検討することを目的として「幹細胞の機能維持に重要なテロメレース逆転写酵素と結合する新規RNAの同定と解析」を研究課題として研究を進めた。本年度交付申請に記載したごとく,tandem affinity peptide purification(TAP法)を駆使し,テロメレース逆転写酵素に結合する多くのRNAを同定することに成功した。これらは,いずれもタンパク質をコードしないnon-coding RNAであり,さらにこれらはいずれも「小さなRNA群」に分類されるRNAであった。さらに驚くべきことに,逆転写酵素として知られるTERTがこれらRNAとの相互作用で逆転写酵素活性以外の多様なRNA修飾酵素として働くことを見出した(Science再投稿準備中)。これらの成果は,TERTの幹細胞機能の維持にかかわる分子基盤を解明する上で非常に重要な知見であるといえる。新規に同定したnon-coding RNA(ncRNA)とTERTにより介在される多様な酵素活性が幹細胞機能維持においていかなる意義を有するかに関して引き続き検討を進めることで,昨今注目されているncRNAの生理学的意義あるいはがんをはじめとする疾患成立過程における病理学的意義の解明が期待される。
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