2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患の遺伝的再構築に基づいた多段階発症制御システムの解明
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19689012
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡崎 拓 The University of Tokushima, 疾患ゲノム研究センター, 教授 (00362468)
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Keywords | 免疫学 / ゲノム / 自己免疫寛容 / 連鎖解析 / I型糖尿病 / 末梢神経炎 |
Research Abstract |
我々は、免疫抑制受容体PD-1を欠損させたマウスを用いることにより各種自己免疫疾患の連鎖解析の効率を向上できることを示してきた。本研究課題では、PD-1欠損マウスを用いた連鎖解析の結果をもとに、自己免疫疾患を抵抗性系統において再構築し、自己免疫疾患発症制御機構を段階的に解明することを試みた。 1、I型糖尿病の解析。昨年度、独自で行った連鎖解析の結果をもとに、4染色体領域のみNOD系統由来であり、その他の領域はC57BL/6系統由来であるコンジェニックマウスを作製したところ、本来I型糖尿病を自然発症しないC57BL/6系統においてI型糖尿病を再構築することに成功した。本年度は、NOD由来染色体領域を狭めたサブコンジェニックマウス10ラインの作製を開始した。 2、末梢神経炎の解析。昨年度に作製したNOD. H2b-PD-1欠損マウスとC57BL/6-PD-1欠損マウスとの交雑BC1マウスについて、遺伝子型を138個のSNPを用いて決定して連鎖解析を行った。その結果、神経症・末梢神経炎、ランゲルハンス島炎、胃炎、唾液腺炎、血管炎に連鎖を示す染色体領域を7個、1個、4個、2個、及び7個同定し、Annp遺伝子座と命名した。 3、心筋炎の解析。昨年度、MRL-PD-1欠損マウスとBALB/c-PD-1欠損マウスの交雑F2マウスを作製して連鎖解析を行い、MRL染色体上に5個、BALB/c染色体上に1個の心筋炎感受性遺伝子座を同定した。本年度は、MRL-PD-1欠損マウスをBALB/c-PD-1欠損マウスに戻し交配し、上記5染色し体領域のみMLR系統由来であるコンジェニックマウスの作製を開始した。本年度中に戻し交配を4世代終了したため、さらに2世代完了した後、各領域のホモ化を行い、心筋炎再構築の有無を検討する。
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Research Products
(11 results)