2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺気道リモデリングにおけるメカニカルストレスの役割
Project/Area Number |
19689017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 理 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (60378073)
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Keywords | メカニカルストレス / 気道平滑筋 / 気管支喘息 / メカノトランスダクション / カルシウムイオン / ARDS / 呼吸生理 / 肺微小血管内皮 |
Research Abstract |
肺・気道リモデリングの病態形成に対するメカニカルストレスの役割を検討した。 培養ヒト気道平滑筋細胞を用いた実験で、メカニカルストレッチによる細胞外からのCa^<2+>流入がストレッチ活性型Ca^<2+>チャネル阻害剤Gd^<3+>及びTRPVチャネル阻害剤ruthenium redで抑制できること、TRPVチャネルファミリーのうちTRPV-1, -2, -4が発現していることを見出した。以上の知見からストレッチ活性型Ca^<2+>流入チャネルがTRPVファミリーに属するイオンチャネルである可能性が示唆された。更に、気道リモデリングの原因物質と推測されているエンドセリン刺激により気道平滑筋細胞からIL-6が産生されることを見出し、Ca^<2+>流入およびp38 MAP-kinase, ERK1/2の活性化が関与していることが推測された。 培養ヒト肺微小血管内皮細胞を用いた実験では、メカニカルストレッチによりストレッチ活性型Ca^<2+>チャネルを介したCa^<2+>流入が生じることを見出し、アクチン細胞骨格によって制御されていることが推測された。更に、繰り返しのストレッチ刺激により同細胞からのケモカイン(IL-8, MCP-1)産生が亢進することを見出した。 以上の知見から気道平滑筋細胞、肺微小血管内皮細胞の機能はメカニカル環境によって影響を受け、細胞内シグナルの活性化を介してサイトカイン・ケモカイン産生など肺・気道における炎症反応、リモデリングの病態形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆される。
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