2007 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病改善因子TFE3による生活習慣病治療への分子基盤の確立
Project/Area Number |
19689019
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中川 嘉 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80361351)
|
Keywords | TFE3 / 生活習慣病 / 脂肪分化 |
Research Abstract |
TFE3の機能を脂肪組織に焦点を当て研究を進めた。In vitroでの解析には脂肪細胞由来の3T3-L1細胞を使用した。形態変化として3T3-L1細胞はTFE3過剰発現では、成熟脂肪細胞への分化は抑制された。そのため、成熟脂肪細胞での脂肪滴の形成も減少した。一方、RNAiによるノックダウンでは、脂肪細胞の分化は顕著に促進され、結果的に脂肪細胞は分化し、脂肪滴の形成も増加した。TFE3の過剰発現ではC/EBPalpha、PPARgamma,FABP4(aP2)をはじめとする脂肪細胞の増殖、分化を決定するマスターレギュレーター遺伝子群の発現が抑制されており、脂肪形成に抑制的に働き、ノックダウンの系においては逆にそれら遺伝子群の発現が上昇する。TFE3が脂肪分化に関わる遺伝子群を抑制的に制御していることを示す結果となった。細胞レベルでの解析では、TFE3の直接的な標的遺伝子の同定を進めており、いくつかの候補遺伝子を同定し検討を現在、行っている。 TFE3の脂肪組織、特に白色脂肪組織における発現変動をマウス個体で検討した。正常マウスに比べ肥満モデルマウスでTFE3の発現量の増加が見られた。また、正常マウス、病態マウスともに栄養状態、絶食時である栄養枯渇状態と再摂食時、栄養過多状態でその発現量は上昇した。 個体レベルでの検討を行うために、脂肪組織特異的発現TFE3トランスジェニックマウスの作成を行っている。脂肪組織に特異的に発現する遺伝子aP2のプロモーターの制御下で、TFE3を発現させることで、TFE3を脂肪組織特異的に発現するマウスを作成し解析を進めている。
|