2007 Fiscal Year Annual Research Report
AML1遺伝子のNKT細胞に対する機能解析と臨床応用への基礎的検討
Project/Area Number |
19689020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅井 隆司 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 助教 (10376436)
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Keywords | 転写因子 / ノックアウトマウス / 腫瘍免疫 / NKT細胞 |
Research Abstract |
AML1/Runx1は急性骨髄性白血病においてしばしば観察されるt(8;21)転座に関与するRuntファミリーに属する転写因子である。ノックアウトマウスの解析からAML1が成体型造血のマスターレギュレーターであることが明らかにされてきたが、私達はCre-LoxPシステムを用いたAML1コンディショナルノックアウトマウスの作製に功し、各血球系におけるAML1の多彩な機能を明らかにしてきた。T細胞特異的AML1コンディショナルノックアウトマウスならびに誘導的AML1コンディショナルノックアウトマウスの解析からAML1がNKT細胞分化にも重要な働きをしていることを示す知見が得られた。プロT細胞分化前後でAML1発現が抑制されるとNKT細胞がほぼ消失するという表現型である。現在、NKT特異的コンディショナルノックアウトマウスの作製を進めているところであるが、今後AML1のNKT細胞分化における詳細な機能解析を予定している。さらにNKT細胞においてAML1遺伝子発現を増強するマウスをTet-on/offトランスジェニックシステムにて作製し、これらマウスを解析するとともに、抗腫瘍免疫が増強するか否かを慢性骨髄性白血病(CML)のモデルBcr/Ab1トランスジェニックをバックグランドとするNKT細胞特異的AML1遺伝子発現増強マウスを作製し検討すべく準備中である。 本研究の最終目的は臨床研究への基礎検討に置いているが、AML1遺伝子またはAML1によって調節を受ける標的遺伝子をin vivoでNKT細胞特異的に操作し、抗腫瘍効果が得られることを疾患モデルマウスにて検証し、従来のNKT細胞を用いた免疫細胞治療とは異なるNKT細胞を用いた新しい免疫細胞・遺伝子治療の可能性を探る準備を進めている。
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Research Products
(1 results)