2007 Fiscal Year Annual Research Report
Th17サブセットが炎症性疾患特に膠原病において果たす役割の解析
Project/Area Number |
19689021
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 浩二郎 Saitama Medical University, 医学部, 講師 (10372434)
|
Keywords | 炎症 / サイトカイン / T細胞 / 膠原病 / 自己免疫疾患 / Th1 / 2 / Th17 / IL-17 |
Research Abstract |
当院リウマチ膠原病科に入院した各種膠原病患者の末梢血検体を用いた解析によって、SLE患者の末梢血単核球由来のサイトカインはIL-4よりもIL-17優位であり、従ってTh2よりもむしろTh17型に偏っていることが明らかになった。ベーチェット病ではTh1型のサイトカイン(IFN-γ)産生パターンが示された。関節リウマチ患者では明らかな偏りが認められなかったが、興味深いことに生物製剤(infliximab)投与後に、単核球由来サイトカインの産生が増加することが判明した。これは当初の予想とは異なる結果であり、現在そのメカニズムを解析中である。 一方マウス由来のナイーブヘルパーT細胞を用いたトランスクリプトーム解析の結果から、Th17分化の過程で発現が増強する転写因子が同定された。この転写因子はIL-6刺激によって誘導されることが示唆されたが、Th17細胞分化における転写のターゲットは、プロモーター解析およびトランスジェニックマウス由来のヘルパーT細胞を利用した解析からIL-23受容体であることが示された。Il-23はTh17細胞の増殖に重要な役割を果たすサイトカインであり、IL-6と同様にStat3を活性化することが知られている。このことからTh17分化における新規のポジティブ・フィードバックのメカニズムが明らかとなった。また、本転写因子と、Th2分化のマスターレギュレーター転写因子とされるGATA-3の発現比がTh2及びTh17分化を規定することが考えられ、この比率を調節することが可能になれば生体の免疫応答を制御できることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)