2008 Fiscal Year Annual Research Report
Th17サブセットが炎症性疾患特に膠原病において果たす役割の解析
Project/Area Number |
19689021
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 浩二郎 Saitama Medical University, 医学部, 講師 (10372434)
|
Keywords | 炎症 / サイトカイン / T細胞 / 膠原病 / 自己免疫疾患 / Th1 / 2 / Th17 / IL-17 |
Research Abstract |
前年度、マウス由来のナイーブヘルパーT細胞を用いたトランスクリプトーム解析の結果から、Th17分化の過程で転写因子c-Mafの発現が増強することが示され、そのターゲット遺伝子の候補としてIL-23受容体が同定された。本年度はc-MafおよびGATA-3トランスジェニック(Tg)マウスを用いてTh17分化におけるこれらの転写因子の役割を解析した。GATA-3TgマウスはTh17分化条件でもIL-17産生が減弱しており、Th2分化への偏りが一因と考えられた。また予想通りc-MafTgマウスにおけるIL-17産生は亢進していたが、そのメカニズムとしては同TgマウスにおいてメモリーCD4陽性T細胞の比率が極端に増加していることが一因として考えられた。また前年度に関節リウマチ患者の末梢血検体を用いた解析によって、生物製剤(Infliximab)投与後に、単核球由来サイトカインの産生が増加することが判明したが、同様の傾向は別種の生物製剤(Tocilizmab)でも同様であった。このメカニズムを明らかにするためマウスをII型コラーゲンで免疫する系を利用し、炎症が惹起されている場合に特異的抗原でin vitroの刺激を行うとサイトカイン産生は増強しているが非特異的な刺激の場合はむしろサイトカイン産生が減弱することが確認された。これは一種のネガティブフィードバックシステムと考えられるが、制御性T細胞がこのフィードバックを担っている可能性を考え現在研究を継続している。
|