2009 Fiscal Year Annual Research Report
Th17サブセットが炎症性疾患特に膠原病において果たす役割の解析
Project/Area Number |
19689021
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 浩二郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10372434)
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Keywords | 炎症 / サイトカイン / T細胞 / 膠原病 / 自己免疫疾患 / Th17 / メモリーT細胞 / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
これまでにマウスナイーブTh細胞をTh1,Th2,Th17の各分化条件で培養し、トランスクリプトーム解析を行って、Th17細胞で転写因子c-Mafの発現が高いことを見出した。更にc-Mafの転写標的の一つにIL-23の受容体があることを明らかにした。T細胞特異的c-Mafトランスジェニックマウスを解析したところ予想通りIL-17高産生性であったが、意外なことに脾臓のTh細胞がほぼ全てメモリー細胞の表現型を示していた。このことからc-MafがTh17細胞の分化に重要なだけでなく、メモリーTh細胞の分化あるいは維持に重要であることが示唆された。野生型マウスのTh細胞を、T細胞を持たないRag-2欠損マウスに移入するとメモリー様Th細胞に変化することが知られている。この細胞を解析したところ、確かにc-Mafの発現が高いことが確認された。最後にc-Maf欠損Th細胞(c-Mafのホモ欠損マウスは胎性致死であるため、c-Mafホモ欠損胎仔由来の肝細胞を造血幹細胞としてX線照射Rag-2欠損マウスに移入しキメラマウスを作成した。このマウスにおいて分化してくるT細胞は全てc-Mafを欠損していると考えられる。)を解析したところ、予想通りIL-17,IL-23受容体の発現は野生型のそれに比べて低下していた。これらの結果からc-MafのメモリーTh細胞分化あるいは維持における重要性が確認された。この内容をJ Biol Chem誌に投稿、受理された。
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Research Products
(7 results)