2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19689024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
椛島 健治 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (00362484)
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Keywords | 外的刺激 / 皮膚免疫 / ケモカイン / 脂質メディエーター |
Research Abstract |
皮膚は様々な外的刺激にたいして、Th1, Th2, Th17型免疫反応や、免疫寛容などの様々な免疫応答を誘導することのできる免疫である。ところが、皮膚における免疫応答の多様性を決定する因子については不明な点が多い。そこで、外的刺激に対する免役応答に関与する分子の同定とその役割の解明が当研究の目的である。 一方、アトピー性皮膚炎は特異的治療が未だ見出されていない難治性アレルギー疾患の一つであり、病態の詳細な解明はなされていない。そこで、本年度は、アトピー性皮膚疾患の発症におけるTh17の役割の解明を試みた。皮膚科外来の患者より末梢血のリンパ球サブセット、組織所見を観察したところ、アトピー性皮膚炎の急性期において、末梢血中のIL-17産生T細胞サブセットと、皮膚炎局所におけるIL-17陽性細胞の有意な上昇を認めた。さらに、表皮角化細胞に対するTh17の産生する代表的なサイトカインであるIL-17とIL-22を添加したところ、VEGF, IL-8, MIG, GM-CSFなどの炎症を誘発するサイトカインの著明な産生を認めた。 以上のように、従来明らかでなかったアトピー性皮膚炎の発症機序に、近年提唱されたTh17の新たな役割を提示することにより、今後の新たな治療戦略の可能性と選択肢を提示した。
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